ビタミン

父親の受精前後の葉酸レベルと胚の成長の関係

細川忠宏

Folicacid
自然妊娠では受精前後の父親になる男性の赤血球中の葉酸濃度が高過ぎても、低過ぎても胚の成長曲線低下に関連し、妊娠前の葉酸摂取は女性だけでなく、男性においても重要であることを示唆する研究結果がオランダから発表されました。

エラスムス医科大学の研究チームは、受精前後の両親の健康状態や環境、遺伝的要因の胎児の成育への影響を調査することを目的とした前向きコホート研究「the Rotterdam Priconception Cohort」のデータを用いて、受精前後の父親になる男性の赤血球中の葉酸濃度と胚の発育の関連を検討しました。

511の単胎妊娠(妊娠方法の内訳は自然妊娠が303、体外受精や顕微受精が208)を対象に、父親の赤血球の葉酸レベルを濃度で4つのグループ(低いほうから高いほうに、Q1、Q2、Q3、Q4)にわけ、妊娠7週、9週、及び11週に測定した胎児頭殿長や胚体積との関連を解析しました。

その結果、自然妊娠では胎児の頭殿長が、Q3(3番目に高かったグループ)に比べて、Q2(2番目に高かったグループ)やQ4(最も高かったグループ)は有意に小さく、縦方向の胚体積でもQ3に比べてQ4は有意に小さいことがわかりました。

これらの関連は体外受精や顕微授精による妊娠例ではみられませんでした。

このことから、自然妊娠では受精前後父親になる男性の葉酸レベルは胎児の成育に影響することが示唆されました。

母親になる女性の葉酸濃度が胚の成育や胎児の健康に強く影響することがよく知られています。そのため、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために妊娠前から葉酸サプリメントの補充が推奨されています。

その一方で、父親になる男性の影響については知られていませんでした。

今回、そのことを調べた初めての研究で、多くても少なくても胎児の影響にマイナスになることが示唆されました。

赤血球中の葉酸濃度は長期間の葉酸摂取量を反映するものですが、摂取量については調べられていません。

そのため、今回の結果をもって男性も葉酸のサプリメントを摂取すべきという結論にはなり得ませんが、関連することは間違いないようです。