母児の健康

インターネット情報と上手につき合う方法

小浦ゆきえ

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健康食品アナリストの小浦ゆきえです。今回から、「お母さんと赤ちゃんのための栄養のはなし」ということで、わかりやすい栄養の話と、トピックスの紹介をしていきます。

初回は、栄養の話題というより、「栄養の情報をどう判断するか」という話です。
妊活中や妊娠中は、栄養に限らず色々な情報を本やインターネットで調べると思います。ただ、医学や栄養学は日々新しい発見のある分野です。昔と今では考え方が変わってくることもあるのです。 

有名なところだと、傷跡の治し方。衛生環境の良くなかった昔は、傷跡が化膿することも多かったせいか、「乾燥させること」が早く安全に治す方法だと考えられていました。でも、現在は「傷跡を乾燥させないこと」が早くきれいに治す方法だとわかってきました。

 栄養の面では、「ビタミンDと妊娠」について、大きな変化がありました。
一昔前まで、「妊娠初期のビタミンDサプリメントの摂取は危険」と考えられていました。ビタミンDは、日光を浴びると体内で合成される栄養素です。おそらく、当時は今より日にあたることの多い環境だったでしょうし、日焼け止めを塗る人も少なかったでしょう。ビタミンDの働きに関する研究も進んでいなかったこともあり、摂り過ぎのデメリットだけが注目されてしまっていたのです。
これが大きく変化したのは、2010年頃からです。生活習慣が変化(屋内仕事の増加・紫外線対策の徹底)し、体内での合成量が激減しました。また、ビタミンDの研究が進み、妊娠・出産や赤ちゃんの健康にも重要な栄養素だとわかってきました。 こういった環境の変化と、研究の発展があって、現在は「ビタミンDの不足に注意する」という考え方になっています。 

インターネット検索の大事なポイント

情報を読む上では、2つのポイントがあります。1つ目は、キーワードの入れ方、2つ目は情報の鮮度です。

妊娠を望む時期は、栄養素や薬の安全性について敏感になりますよね。こんな時、インターネットで検索する時、「ビタミンD・妊娠・危険」と入れてしまうと、危険情報が多く表示されるので、ものすごく心配になってしまうかもしれません。おすすめは、危険性を調べる時は「量」とか「g」(グラム)をセットにすることです。そうすると、どこまでは安全か、どこから危険かという、一番肝心な情報にスムーズにたどり着けます。

次に、情報の鮮度です。これは、本なら発行年を見たらわかりますね。インターネットでも同じように確認する方法があります。それは、検索対象とする「期間」を指定することです。Googleなら検索結果の上にある「検索ツール」というボタン、Yahoo!なら検索結果の上にある「絞り込みツール」をクリックすると、検索条件を指定するメニューが現れます。期間指定を「1年以内」に変更すれば、1年以内に掲載された情報だけが出てきます。これで新しい情報に出会える確立がグッと上がります。

矛盾する情報で判断に迷った時は、量の情報情報の鮮度を確認を試してみてください。

<文 健康食品アナリスト 小浦ゆきえ> 著書「男と女の子宝サプリ