ビタミン 母児の健康

葉酸は赤ちゃんの心臓病も予防できるかも!?

小浦ゆきえ

妊活中にしっかり摂りたい!葉酸の新たな効果が判明

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既に妊活の定番サプリとなっている葉酸。
以前、生まれつき葉酸の代謝がうまくできない(葉酸代謝遺伝子)普段の食生活では不足しやすいということも紹介しました。
葉酸をとることが赤ちゃんの神経の成長に大切なことはわかっていましたが、今回は先天性の心臓病を予防する効果も期待できるかもしれないという報告が出されました。

報告は、1990年から2011年にカナダで生まれた約600万人の赤ちゃんのデータを分析したもの。
カナダでは1998年から小麦粉やパスタへの葉酸添加が行われているので、その前後を比較したところ、先天性心疾患率が11%減少していたそうです。
すべての心臓病を予防する効果があるということではなく、タイプによってさがあることも報告されています。葉酸添加によって約30%減少しているもの(重度の心臓流出路異常など)もあれば、変化がないもの(遺伝によるものなど)もあったようです。

Effect of Folic Acid Food Fortification in Canada on Congenital Heart Disease Subtypes

いつ、どのくらい摂ればいいの?

今回調査が行われたカナダでは、「小麦製品への葉酸添加」という形なので、妊娠初期だけでなく、妊娠前から妊娠初期・中期・後期を通して葉酸を摂っている状況です。
ですから、今回の報告から「いつ・どのくらい」というタイミングや量までは判断できません。

ただ、胎児の心音は、早い人なら妊娠4週目くらいから、6週目くらいまでには聞こえてきます(病院の機会を介してですが)。
ということは、神経の病気を予防するタイミングと同様、妊娠前~妊娠初期にとることはとても重要だろうと考えられます。
また、葉酸の添加政策は、「過剰摂取にならず、神経の病気を予防することが期待できる量」で実施されています。ですから、ひとまず日本で推奨されている400μg/日という量を摂ることで、同等の心臓病の予防効果が期待できるのではないかと思います。

タイミングや摂取量と予防効果についての研究は、これから進んでいくでしょう。その結果を待たなくても、葉酸を摂ることのメリットが増えたのですから、しっかり葉酸を摂っておきたいですね。