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グリセミックインデックス(GI)にも、個人差があった

小浦ゆきえ

色々なタイプの食事管理法

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ダイエットのために生活を改善していく方法の1つとして、『食事管理』はとても大切なことですよね。

食事を管理する方法として、もっとも一般的なのが「カロリー管理」。これは、食べ物から摂るエネルギーの総量をコントロールしようとする考え方です。それに対して、脂肪を蓄える原因になる「インスリン」の出かたをコントロールしようという考え方も登場しています。それが低GI(グリセミックインデックス)や糖質制限です。

わたしたちの体は、インスリンの命令によって脂肪を蓄えます。そのインスリンは、血糖値が上がることが刺激になって分泌されます。血糖値は、必要以上の糖(デンプンが分解されたものも含む)をとることで上がりすぎてしまいます。
そこで、「血糖値の上がりやすさを数値化して食べ物を選べば、血糖値をコントロールできるかも…」という考え方から登場したのが「グリセミックインデックス(GI)」です。低GIダイエットのブームもありGIの認知度は上がりましたし、低GIを売りにした食品も登場しています。

しかし、ここにきて、これまで使ってきたGI値の指標の信頼性が揺らぐ報告が出てきたのです。

消化&吸収能力の違いで 血糖値変化に個人差が

イスラエルのワイツマン研究所が、1週間以上にわたって800人の血糖値をモニターした結果、同じ食事を食べても人によって大きく反応が違っていたそうです。(同じ人は日が変わっても似たような結果)

GI値のリストは1981年に発表された「食品によって血糖値の上がり方が違う」という論文から始まり作られたものです。食後の血糖値の上昇を実際に測定し、その平均値から出されています。

しかし今回の報告では、GI値を決定するプロセスの「少人数を対象にして行われた測定だった(信頼性が低い)」ことと、「平均値である(分散や個人差を考慮していない)」点に問題があったのではないかと指摘しています。

結局のところ、「同じものを食べても、血糖値が上がりやすい人と上がりににくい人がいる」ということです。この差は、個人の消化能力(咀嚼・消化液の量など)や吸収能力(腸の状態や体の充足度など)によるものかもしれません。
血糖値が上がりにくい人も、「太りにくくてラッキー♪」というのではなく、ビタミンやミネラルなど糖以外の栄養素も上手に吸収できていない可能性も考えられます。逆に血糖値が上がりやすい人は、「あんまり食べていないつもりでも しっかり吸収され蓄えやすい体質」かもしれません。

低GIダイエットで効果が出ないときは…

もし、GI値を考慮したダイエットメニューを組んでも効果が表れないなら、「消化吸収能力の高い(GI値が高い食品も簡単に消化できてしまう)人」かもしれません。
消化・吸収能力が高い人は、カロリーとGI値、糖質量とGI値というように組み合わせて考えてみると良いかもしれません。