食生活 (栄養)

妊活カップルの魚の摂取量と性交回数や妊娠しやすさの関係

細川忠宏

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魚介類をたくさん食べるカップルほど、性交回数が多く、妊娠までの期間が短いことが、アメリカで実施された健康な妊活カップルを対象とした研究「LIFE Study」で明らかになりました。

LIFE studyとは、アメリカ小児健康・人間発達研究所による「The Longitudinal Investigation of Fertility and the Environment (LIFE) Study」のことで、テキサス州とミシガン州在住の健康な(不妊症ではない)妊娠を希望するカップル、501組を、2005年から2009年までフォローし、環境中の化学物質やライフスタイルが妊娠しやすさや生殖機能に及ぼす影響について調べています。

今回の研究では、カップルの魚介類(ツナ缶や魚、カニ、エビ、そして、貝など)の摂取頻度と性交回数や妊娠しやすさとの関係を調べるべく、研究開始時に過去1年間の魚の摂取頻度を確認し、研究開始後は魚介類の摂取頻度や性交を記録してもらい、妊娠率は妊娠検査薬を用いて避妊をやめてから妊娠までにかかった期間をもとに算出しました。

その結果、魚介類を食べる頻度が周期あたり8回以上だったカップルと1回以下だったカップルの妊娠までにかかった期間から算出した妊娠率を比較すると、8回以上だったカップルのほうが61%高いことがわかりました。

また、性交回数も魚介類をよく食べるカップルのほうが多く、周期あたり8回以上魚介類を食べたカップルはどちらも1回以下だったカップルに比べて22%多かったことがわかりました。

今回の結果について、研究チームは、魚油が主な供給源である「EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸」を多く摂取しているからではないかとしています。

もう1つ、魚をよく食べる家庭は、食生活が健康的であるだけでなく、健康的な生活を営んでいることから、性生活も充実しているのではないかとしています。

魚介類を多く食べることは、栄養素摂取とライフスタイルの2つの面から妊娠にプラスに働くのではないかとのことです。

出典:J Clin Endocrinol Metab.