食生活 (栄養)

食事と勃起不全(ED)の関係

細川忠宏

20201130ブログ用
男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

健康的な食事パターンの男性は勃起不全(ED)にかかるリスクが低く、食事内容は勃起維持に影響を及ぼすことが示唆されました。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者を中心としたグループは、食事パターンのEDへの影響をハーバード大学が実施した大規模前向きコホート研究(the Health Professionals Follow-up Study)に登録の男性医療従事者を対象に調査しました。

40-75歳の男性医療従事者を1998年から2014年まで追跡、4年毎に食物摂取頻度調査票を用いた食事調査を実施し、その累積データから地中海食パターンとAHEI2010(新健康食)パターンスコアを算出し、それぞれのスコアで地中海食は3つ(低・中・高)のグループに、新健康食は5つのグループにわけ、EDとの関連を年齢(60歳未満、60以上70歳未満、70歳以上)別に解析しました。

その結果、21,469名の男性をフォローしました。男性の平均年齢(ベースライン時)は62歳で平均追跡期間は10.8年でした。

その年齢層でも、地中海食スコアや新健康食スコアが高いグループの男性は、低いグループの男性に比べてEDにかかる割合が低く、60歳未満の男性で最も低くなることがわかりました。

追跡期間中にEDになった男性は60歳未満では968名、60以上70歳未満では3703名、70歳以上では4793名でした。60歳未満では地中海スコアが高いグループは低いグループの男性に比べて、EDにかかる割合が22%低く、60以上70歳未満では18%、70歳以上が7%で、若い男性ほど食事の影響が大きいことがわわかりました。

新健康食パターンで同様でした。

これらのデータから健康的な食事はEDにかかるリスクが低くなることが示唆されました。


コメント
EDは心血管疾患の前兆であることが知られています。そして、食事内容は心血管疾患の発症リスクに影響することも知られていることから、今回の研究で食事パターンがEDにどのように影響を及ぼすのかが調べられました。

2つの食事パターンの特徴は以下の通りです。

・地中海食
地中海沿岸地域の伝統的な食事パターンで、さまざまな生活習慣の発症リスク低減に関連するという膨大な研究報告がなされている。野菜、じゃがいも、豆類、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイルを多く、高脂肪乳製品、赤肉、鶏肉、アルコールが少ない食べ方。

・新健康食(AHEI-2010)
米国大規模疫学調査から導かれた生活習慣発症リスクの低い食べ方。野菜(じゃがいもを除く)、果物、全粒穀物、ナッツ類、豆類、オメガ3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、アルコールを多く、砂糖入り清涼飲料水、果物ジュース、赤身肉、加工肉、トランス脂肪酸、ナトリウム(塩)は少ない食べ方