睡眠習慣と流産や妊娠合併症リスクとの関係
睡眠と妊娠中のリスクの関連を調べた研究において、睡眠中間点(就寝時間と起床時間の中間)が早い女性は、早産や妊娠高血圧症、妊娠糖尿病といった妊娠中のトラブルのリスクが低いことが分かりました。また平日と休日で睡眠時刻にずれが起きている女性ではそれらのリスクが高くなることが報告されています。
妊娠を望む女性にとって、食事や運動といった生活習慣を整えることが大切であることはよく知られていますが、近年は「睡眠」が妊娠の経過にどのように影響するかについても関心が高まっています。特に、睡眠時間の長さだけでなく、就寝や起床のタイミングといった睡眠のリズムが、妊娠中のトラブルリスクに関係する可能性が指摘されるようになってきました。
今回アメリカの研究者らが行った研究では、妊娠前の睡眠習慣と流産や妊娠中の不良転帰との関連が調査されました。この研究は、過去に流産を経験した1,228人の女性を対象に行われ、妊娠前の睡眠習慣が妊娠全体にどのような影響を及ぼしうるのかを検討したものです。
研究では、参加者の妊娠前の睡眠習慣について、睡眠時間の長さ、寝つくまでにかかる時間、睡眠をとる時間帯の傾向(睡眠中間点)、平日と休日で睡眠リズムがどれほどズレるかといった項目が自己申告で記録されました。その後、参加者が妊娠に至ったかどうか、また妊娠成立後にどのような経過をたどったかが追跡され、流産や早産、妊娠高血圧症や妊娠糖尿病といった妊娠中の合併症との関連が分析されました。
分析の結果、睡眠時間の長さや寝つきやすさは、流産や妊娠合併症とは明確な関連が見られませんでした。つまり、「どれだけ長く睡眠をとったか」や「どれくらい早く眠りにつけたか」は、今回の研究では妊娠の経過に有意な影響を示しませんでした。
一方で、睡眠中間点、つまり就寝から起床までの時間帯の中心を示す指標では、より早い時間帯に睡眠をとる傾向のある女性は、そうでない女性に比べて流産、早産、妊娠高血圧症、妊娠糖尿病といった不良妊娠転帰のリスクが低いという結果が示されました。また、平日と休日で就寝・起床時刻が1時間以上ずれるような生活リズムの乱れが大きい女性では、不良妊娠転帰のリスクが高くなるという関連も認められました。
以上のことから、今回の研究では睡眠時間の長さよりも就寝・起床のタイミングが安定しているかどうか、そして睡眠のリズムが平日と休日で大きく乱れていないかという点が妊娠の経過に関わる可能性が示唆されています。
<コメント>
妊活中の女性にとって重要なのは、睡眠時間を増やすこともさることながら、毎日一定のリズムを保って生活することかもしれません。
就寝と起床の時間を大きくずらさないこと、平日と休日の差を少なくすること、可能であれば遅すぎない時間帯に就寝することなどが、妊娠の経過に良い影響を与える可能性があります。

