多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)女性へのビタミンD3サプリメントの有効性
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性にビタミンDのサプリメントを投与すると、卵巣の状態や月経不順、排卵率などが改善することが、ランダム化比較試験(RCT)で示されました。
ビタミンDの補充はPCOSの管理に有用な治療法となる可能性があることが示されました。
ビタミンDの補充はPCOSの管理に有用な治療法となる可能性があることが示されました。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性ではビタミンD欠乏が高頻度に見られ、内分泌や代謝障害、排卵障害と関連することが指摘されています。 ビタミンDの補充は、遺伝子発現に影響を与えることで卵巣機能や卵胞発育の障害を改善する可能性がありますが、エビデンスは確立されていません。
そこで、ハンガリー、デブレツェン大学のTóthらは、二重盲検無作為化並行群間比較試験を実施し、PCOSの女性におけるビタミンD補充の有効性を検証しました。
この研究では、84名のPCOSの女性「25(OH)Dが10〜30ng/mL、BMIが36未満」を無作為にビタミンD群(44名)とプラセボ群(40名)の2つの群に割り付け、ビタミンD群には、1週間あたりビタミンD3(30,000IU)+カルシウムを、プラセボ群には1週間あたり、プラセボ+カルシウムを12週間投与しました。
その後、両群とも1週間あたり、ビタミンD(30,000IU)+カルシウムを12週間投与しました。
主要な評価項目は、卵巣形態(経膣超音波検査)や月経周期の長さ、排卵率(黄体期プロゲステロン ≥10 ng/mL)、副次的な評価項目は、テストステロン、LH/FSH比とし、それぞれ、ベースライン時、12週後、24週後に測定をしました。
その後、両群とも1週間あたり、ビタミンD(30,000IU)+カルシウムを12週間投与しました。
主要な評価項目は、卵巣形態(経膣超音波検査)や月経周期の長さ、排卵率(黄体期プロゲステロン ≥10 ng/mL)、副次的な評価項目は、テストステロン、LH/FSH比とし、それぞれ、ベースライン時、12週後、24週後に測定をしました。
ビタミンD群は、開始時から継続的にビタミンD3を総量で720,000 IU投与され、プラセボ群は12週間のプラセボ導入期間を経てから総量360,000 IUを投与されました。 この結果、ビタミンD充足群とビタミンD不足/欠乏群への12週間のビタミンD投与の有効性の評価が可能になりました。
主な結果は以下の通りでした。
<フェーズ1>ビタミンD 30,000IU/週 または プラセボ/週を12週間投与後
・25(OH)Dレベル
ビタミンD群では25(OH)D濃度が24.34 (±9.18)から45.1 (±11.42) ng/mLに有意に上昇し、96%が30 ng/mL以上に到達しました。一方、プラセボ群では変化はありませんでした。
ビタミンD群では25(OH)D濃度が24.34 (±9.18)から45.1 (±11.42) ng/mLに有意に上昇し、96%が30 ng/mL以上に到達しました。一方、プラセボ群では変化はありませんでした。
・月経周期
ビタミンD 群では月経周期の有意な短縮「47.93 (±21.91)→38.75 (±15.03)日」が認められました。月経周期が長かった被験者ほど改善効果が大きく、ベースラインの周期が35日以及び42日以上であった被験者では −28日から−31日の短縮となりました。一方、プラセボ群では変化はありませんでした。
ビタミンD 群では月経周期の有意な短縮「47.93 (±21.91)→38.75 (±15.03)日」が認められました。月経周期が長かった被験者ほど改善効果が大きく、ベースラインの周期が35日以及び42日以上であった被験者では −28日から−31日の短縮となりました。一方、プラセボ群では変化はありませんでした。
・排卵率
ビタミンD群では排卵(黄体期プロゲステロ10 ng/mL以上)率が約40%から59〜65%に有意に増加しました。サブ解析では、特にLH/FSH比2以上の群では改善が顕著でした。
ビタミンD群では排卵(黄体期プロゲステロ10 ng/mL以上)率が約40%から59〜65%に有意に増加しました。サブ解析では、特にLH/FSH比2以上の群では改善が顕著でした。
・卵巣形態(超音波)
ビタミンD群では正常卵巣形態が2.5%から20%への改善が認められました。
以上の通り、ビタミンDを12週間投与したVD群では、プラセボ群と比べて月経周期、排卵率、卵巣形態において明確な改善を示しました。
ビタミンD群では正常卵巣形態が2.5%から20%への改善が認められました。
以上の通り、ビタミンDを12週間投与したVD群では、プラセボ群と比べて月経周期、排卵率、卵巣形態において明確な改善を示しました。
<フェーズ2>両群ともVD 30,000IU/週を12週間投与後
ビタミンD充足後は、排卵率、月経周期の改善は頭打ちになる一方、卵巣形態や高アンドロゲン是正改善(ホルモン異常の改善)は、より長期間投与した群(ビタミンD群)において進む可能性が示されました。
ビタミンD充足後は、排卵率、月経周期の改善は頭打ちになる一方、卵巣形態や高アンドロゲン是正改善(ホルモン異常の改善)は、より長期間投与した群(ビタミンD群)において進む可能性が示されました。
フェーズ1の終了時点で、ビタミンD群はプラセボ群と比較して、月経周期短縮、排卵率上昇、卵巣形態改善を示しました。フェーズ2の終了時点では、両群ともビタミンDは充足状態となり、主要アウトカムは同程度でしたが、卵巣形態や高アンドロゲン是正については、より長期投与(ビタミンD)群で改善が進む傾向が認められました。
二重盲検二相無作為化比較対照試験において、12週間のビタミンDとカルシウムの補充(メトホルミンを使用しない)によって、卵巣形態や月経周期の規則性、排卵数の改善をもたらすことが示されました。
<コメント>
ビタミンD不足/欠乏のPCOS女性では、週に30,000IUのビタミンDサプリメントを12週間投与することで充足レベルに達し、その後は頭打ちになることが示されました。ビタミンDの投与量を1日に換算すると約4,000IUになり、ビタミンDを充足レベルとするための投与量と期間の目安になり得ます。また、ビタミンDの充足が月経周期や排卵障害、卵巣形態の改善の独立した因子であることが示唆され、PCOS管理の有用な療法になり得ることも示されました。

