超加工食品の摂取と女性の妊孕性の関係
米国の国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを用いた横断研究において、超加工食品の摂取割合が高い女性ほど、妊孕性が低いことと関連している可能性が示されました。
食事の内容が妊娠しやすさに関わる可能性については、これまでも多くの研究で注目されてきた一方で、単に「何を食べるか」だけでなく、「どの程度加工された食品を食べているか」にも関心が向けられています。
超加工食品とは、食品の加工度によって分類するNOVA分類でグループ4にあたる食品で、スナック菓子、菓子パン、清涼飲料、インスタント食品、加工肉、ファストフードの一部などが含まれます。これらは糖質や脂質、塩分が多くなりやすいだけでなく、食品添加物や包装・加工過程で使われる化学物質等による生殖機能への影響が懸念されています。
今回の研究では、アメリカの国民健康・栄養調査(NHANES)の2013〜2018年のデータから、超加工食品の摂取量が妊孕性(妊娠しやすさ)とどのように関連するかが調査されました。
対象となったのは、20〜45歳の女性2,582名で、対象者のうち、1年以上妊娠を試みても妊娠に至らなかったと自己申告した女性を不妊群、それ以外を妊孕群として分類しています。対象者のうち、妊孕群は2,273名、不妊群は309名でした。
対象となったのは、20〜45歳の女性2,582名で、対象者のうち、1年以上妊娠を試みても妊娠に至らなかったと自己申告した女性を不妊群、それ以外を妊孕群として分類しています。対象者のうち、妊孕群は2,273名、不妊群は309名でした。
対象者の食事内容は、2日分の24時間食事思い出し法によって評価されました。さらに、1日に食べた食品全体の重量に対して、超加工食品(NOVA分類グループ4に該当する食品)が占める割合を超加工食品の摂取量として算出しました。またこの研究では世界的に健康的な食事として知られる地中海食との関係についても調査が行われました。対象者の食事がどれだけ地中海食に近い食べ方かを、果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ、魚、脂質の質などをもとにした値で評価しました。
その結果、超加工食品の摂取割合は不妊群で高く、地中海食スコアは低いことが示されました。具体的には、不妊群では超加工食品の摂取割合が約30.6%、妊孕群では約26.7%であり、食事全体に占める超加工食品の割合に差が見られました。
さらに、年齢、人種・民族、所得、教育歴、婚姻状況、喫煙、身体活動量、総エネルギー摂取量、ホルモン避妊薬の使用歴、骨盤内感染の既往など、妊孕性に影響しうるさまざまな要因を考慮した解析でも、超加工食品の摂取量が多いほど妊孕性が低いことと関連しており、さらにこの関連は、肥満の有無をさらに調整した後も維持されいることがわかりました。
一方、地中海食については、スコアが高いほど妊孕性が高いことと関連していました。つまり、野菜や果物、魚、ナッツ、良質な脂質を多く含む食事に近い女性ほど、妊孕性が高い傾向が見られたということです。
しかし、この関連は肥満を調整すると統計学的には明確ではなくなりました。つまり、地中海食に近い食事が妊孕性に関係している背景には、体重が管理しやすくなったり、体の代謝状態が整いやすくなったりすることが関わっている可能性があります。
しかし、この関連は肥満を調整すると統計学的には明確ではなくなりました。つまり、地中海食に近い食事が妊孕性に関係している背景には、体重が管理しやすくなったり、体の代謝状態が整いやすくなったりすることが関わっている可能性があります。
以上の結果から、超加工食品の摂取量の増加は、肥満とは関係なく妊孕性の低下と関連していることがわかりました。
今回の研究を実施した研究者は、超加工食品を摂ることで摂取できる栄養素の質が低下するだけでなく、食品の加工や包装に使用された化学物質によるホルモンへの影響や、慢性炎症や腸内細菌叢への影響が関係している可能性があると考察しています。
<コメント>
妊活中の食事というと、「特定の栄養素をどれだけ摂るか」に意識が向きやすいかもしれません。しかし今回の研究は、食事全体の質や、食品の加工度にも目を向けることの大切さを示しています。たとえば、同じカロリー量であっても、できるだけ素材に近い食品を選ぶこと、野菜や果物、魚、豆類、全粒穀物、ナッツ類などを日々の食事に取り入れること、清涼飲料や菓子類、インスタント食品、加工食品に偏りすぎないことは、妊娠を希望する女性にとっても意識しやすい工夫といえます。
この研究結果から、超加工食品を多く摂ることが妊孕性の低下を直接引き起こすとまでは言えませんが、妊娠を望む女性にとって、日々の食品の選びかたや食事の質にも目を向けることが大切かもしれません。

