食生活 (栄養)

体脂肪と女性不妊との関連ー米国女性を対象とした研究

細川忠宏

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米国の18~45歳女性1,103人を対象とした研究で、腹部の肥満や体脂肪率、内臓脂肪の付き方を評価する3つの指標が、女性の不妊と関連することが報告されています。なかでも内臓脂肪を反映する指標が最も高い関連を示しました。

肥満の評価には一般的にBMIが用いられますが、BMIは脂肪と筋肉を区別できず、脂肪が体のどこに蓄積しているかも評価できません。こうした背景から、身長や体重をもとにしたBMIだけでなく、脂肪の量や付き方に関する指標が注目されています。

今回の研究では、アメリカの国民健康栄養調査(NHANES)の2013~2018年のデータを用い、18~45歳の女性1,103人を対象として、3つの体脂肪に関連する指標と女性不妊との関連が調べられました。

体脂肪に関する指標として使われたのは、身長、体重、ウエスト周囲径からおなか周りの肥満の程度を評価する「C-index」、身長とウエスト周囲径から体脂肪率を推定する「相対的脂肪量(RFM)」、そして体格に加えて年齢や血糖・脂質に関する数値を組み合わせ、内臓脂肪の蓄積傾向を推定する「内臓脂肪代謝スコア(METS-VF)」です。

不妊については、「1年以上妊娠を試みたものの妊娠しなかったことがあるか」という質問への回答に基づいて判定されました。対象者1,103人のうち132人、全体の12%が不妊を経験したと回答しました。

分析の結果、不妊を申告した女性では、そうでない女性と比較して、C-index、RFM、METS-VFのすべてが有意に高く、高血圧や糖尿病の割合も高いことがわかりました。


年齢、人種、学歴、喫煙、飲酒、高血圧、糖尿病などの影響を考慮した解析でも、3つの体脂肪関連指標はいずれも、不妊との関連を示しました。

3つの指標が不妊の有無をどの程度見分けられるかを調べた解析では、METS-VFが最も高く、2番目はRFM、3番目はC-indexでした。

<コメント>
お子さんを望む女性にとって肥満は、インスリンの働きが低下するインスリン抵抗性や、男性ホルモンの増加、慢性的な炎症などにつながり、排卵や子宮内膜の状態に影響し、女性の妊娠しやすさに影響を及ぼす可能性があります。

本研究では、身長、体重、ウエスト周囲径、血糖・脂質などから腹部肥満や体脂肪率、内臓脂肪の蓄積傾向を間接的に推定するC-index、RFM、METS-VFの3指標が、いずれも女性不妊と関連しました。

今回の結果は、女性の妊孕性を考える際に、体重だけでなく、体脂肪やウエスト周囲径にも目を向ける意義がある可能性を示しています。

ただし、この研究はある一時点の状態を調べた研究(横断研究)であるため、これらの指標が高い状態が不妊につながったのか、不妊に関連する疾患や生活習慣が指標の値に影響したのかは判断できません。しかし、妊活における体重管理では、体重やBMIだけに注目するのではなく、バランスの良い食事をとることや適度な運動を通じて健康的な体づくりに取り組むことも重要と考えられます。