イノシトールの補充が不妊治療の費用削減につながる可能性
不妊女性300名を対象とした研究により、卵巣刺激開始前からイノシトールを補充することで卵胞発育を促すゴナドトロピン製剤の使用量が少なくて済み、1周期あたりの薬剤費も低く抑えられたことが報告されています。
体外受精や顕微授精などのART治療では、複数の卵胞を育てるために卵巣刺激を行うことが一般的で、このための薬剤の使用量が多くなるほど金銭的な負担も大きくなります。
今回の研究はイタリア・ローマのAlma Res Fertility Centerにおいて2021年11月~2023年11月にかけて行われたもので、PCOSではない40歳未満の不妊女性300名を対象に、イノシトールのサプリメントを摂取したグループと、葉酸のみを摂取したグループで比較を行いました。
イノシトール群では、卵巣刺激を始める約1ヶ月前から、葉酸400μg、ミオイノシトール4,000mg、αラクトアルブミン100mgを摂取しました。一方、葉酸のみを摂取する対照群では、葉酸400μgのサプリメントを摂取しました。
そしてその後卵巣刺激を開始し、rFSH総使用量や薬剤費を比較しました。また同時にART治療成績についても比較しました。
今回の研究はイタリア・ローマのAlma Res Fertility Centerにおいて2021年11月~2023年11月にかけて行われたもので、PCOSではない40歳未満の不妊女性300名を対象に、イノシトールのサプリメントを摂取したグループと、葉酸のみを摂取したグループで比較を行いました。
イノシトール群では、卵巣刺激を始める約1ヶ月前から、葉酸400μg、ミオイノシトール4,000mg、αラクトアルブミン100mgを摂取しました。一方、葉酸のみを摂取する対照群では、葉酸400μgのサプリメントを摂取しました。
そしてその後卵巣刺激を開始し、rFSH総使用量や薬剤費を比較しました。また同時にART治療成績についても比較しました。
結果として、卵巣刺激に必要だったrFSHの総使用量は、対照群では平均2,526 IUであったのに対し、ミオイノシトール群では平均1,647 IUと有意に少ないことが示されました。これに伴って、rFSHの薬剤費は対照群で1周期あたり1,288.26ユーロ、ミオイノシトール群で839.97ユーロとなり、448.29ユーロの差が生じたと報告されています。
一方で、採卵数、成熟卵子数、受精卵数、良好胚数、着床率、臨床妊娠率、流産率、継続妊娠率などのART治療成績には、両群で有意な差は認められませんでした。
つまり今回の研究で、イノシトールを摂取したことにより治療成績に明らかに差はみられなかったものの、ゴナドトロピン製剤の使用量と薬剤費が少なくなることがわかりました。
一方で、採卵数、成熟卵子数、受精卵数、良好胚数、着床率、臨床妊娠率、流産率、継続妊娠率などのART治療成績には、両群で有意な差は認められませんでした。
つまり今回の研究で、イノシトールを摂取したことにより治療成績に明らかに差はみられなかったものの、ゴナドトロピン製剤の使用量と薬剤費が少なくなることがわかりました。
<コメント>
イノシトールは、米ぬかや穀物、柑橘類に多く含まれるビタミン様物質で、体内でも産生されています。
働きとして、FSH(卵胞刺激ホルモン)やインスリンが細胞膜の受容体に結合した後、信号(命令)を細胞内に伝える役割を担っています。
妊活女性においては、主にPCOSの方のための卵胞発育の補助として使われるサプリメントとして知られています。
今回の研究では、PCOSでないART女性患者の治療にかかる費用の削減になることを検証されました。この研究はイタリアで行われたもので、日本で受ける治療と単純比較はできませんが、イノシトールの摂取によって同等の効果が得られた場合には自己負担額は5,000円〜7,500円程度と予測されます。
ART治療は保険が適用されるようになったとは言え、経済的な負担は決して小さくありません。もしも、イノシトールが治療費用の低減をもたらすのであれば、とり入れてみる価値はあるかもしれません。

